Excelの工程表が更新されず、実態とずれたまま形だけ残っている。工程管理システムはその状態を解消する仕組みです。
本記事では12製品を生産方式別に比較し、生産管理との違い、主要機能、選び方、導入の進め方まで解説します。
工程管理システムの本質は工程表の電子化ではありません。現場の実績が自動で入ってくる状態を作れるかどうかです!
工程管理システム12選 比較一覧表
まず12製品を一覧で比較します(うちA-Eyeカメラは工程管理システムそのものではなく、実績収集を補完するツールです)。費用は公式サイトで確認できたものを記載し、非公開の製品は「要問い合わせ」としています。
製品名 | 対応業種 | 導入形態 | スケジューラー | 費用の目安 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
Seiryu | 多品種少量生産の中小製造業 | 要問い合わせ | 自動立案あり | 要問い合わせ | 負荷を判断し代替機械を考慮して自動割り当て |
SmartF | 食品・化学・金属加工・自動車部品ほか | クラウド | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 最小限の機能から段階的に追加できる |
ものレボ | 多品種少量・短納期の製造業 | クラウド | 自動立案あり | 月額77,000〜297,000円 | 全プランに自動スケジューリングを標準搭載 |
Dr.工程Pro | 金型ほか個別受注生産(試作・産業機械・専用設備など) | 要問い合わせ | 自動立案あり | 要問い合わせ | 納期・優先度を加味した山崩し機能 |
DIRECTOR6 | 個別受注・多品種少量生産 | オンプレミス | 自動立案あり | 買い切り4,900,000円〜(税抜・基本パッケージ) | リリース以来30年。原価管理・BI連携まで対応 |
サクっと工程 | 部品加工業(一品もの・試作・小ロット) | クラウド | ガントチャートのみ | 初期700,000円/月額57,000円(モデル料金) | タブレット+バーコードで工数を正確に把握 |
ADAP | 製造業 | 要問い合わせ | 自動立案あり(APS) | 要問い合わせ | 変更が起きるたび自動再計算するイベントドリブン型 |
WorkGear | 中小製造業 | クラウド/オンプレミス | ガントチャートのみ | 要問い合わせ | 販売・購買から請求まで一体で管理 |
UM工程進捗 | 製造業 | クラウド | 実績収集中心(自動立案なし) | 月額50,000円〜(税抜・10ID単位) | Salesforce基盤。IoT連携で実績を自動収集 |
IB-Mes | 製造業 | クラウド/オンプレミス | 実績収集中心(自動立案なし) | 要問い合わせ | 設備1台から試せるMES。補助金にも対応 |
生産革新 Wun-jin SMILE V Air | 多品種小ロット生産の加工業 | クラウド | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 生産管理まで含む統合型 |
A-Eyeカメラ | 製造業 | クラウド | 実績収集中心(自動立案なし) | 初期1,000,000円/月額2,000円〜(監視対象1件) | AI画像認識で設備の稼働状況を自動収集 |
※税抜・税込の別は製品によって表記が異なり、公式サイトに明記がないものもあります。最新の条件は各公式サイトでご確認ください。
※「スケジューラー」欄の凡例:自動立案あり=計画を自動で立案/ガントチャートのみ=計画の可視化に対応(自動立案なし)/実績収集中心=実績の収集と可視化が主機能/要問い合わせ=公式サイトで確認できず。
比較表で確認すべきポイント

最初に見るべきは「スケジューラー」の欄です。
工程管理システムは、大きく2種類に分かれます。計画を自動で立てるところまで担う製品と、立てた計画に対して実績を集めることに重きを置く製品です。
前者は多品種少量生産や個別受注生産で、後者は工程が比較的固定されている量産型で効きます。
次に「導入形態」を見ます。クラウド型は初期費用を抑えて短期間で始められ、オンプレミス型は買い切りで長期のコストが読みやすくなります。
「対応業種」は、単に自社の業種が含まれるかではなく、その業種特有の管理単位に対応しているかという視点で確認してください。
金型のように1品ごとに工程が変わる製造と、食品のようにロット管理が中心の製造では、必要な機能がまったく違います。
「費用の目安」が要問い合わせの製品は、公式サイトで料金が公開されていないものです。工程数や利用人数で構成が変わる製品が多いため、見積もりは条件を揃えて依頼してください。
工程管理システムとは?生産管理・進捗管理との違い

工程管理システムとは、いつ・どの工程で・誰が・何を作るかを計画し、その進捗を実績として集めて管理する仕組みです。
似た言葉が多く混同されやすい領域なので、まず範囲を整理します。
工程管理の目的と基本的な考え方
工程管理の目的は、QCDを最適なバランスに保つことです。
【QCDとは】Quality(品質)、Cost(コスト)、Delivery(納期)の頭文字をとった言葉です。製造業における管理の3要素とされ、いずれかを優先すると他が犠牲になる関係にあります。
納期を守るために残業を増やせばコストが上がり、コストを削るために工程を詰めれば品質が落ちます。
工程管理は、この3つのどこに軸足を置くかを決め、計画と実績のずれを早く見つけて手を打つための活動です。
基本の流れは、計画を立て、実行し、実績と計画を比べ、差が出た原因に手を打つというサイクルです。
ここで重要なのは、実績が集まらなければ比較ができないという点です。Excel管理が形骸化する最大の理由は、計画は作られても実績が返ってこないことにあります。
生産管理システムとの違い
工程管理は、生産管理の一部です。
生産管理システムは、受注から生産計画、資材の調達、在庫、製造、出荷、原価計算までを扱います。そのうち「いつ何をどの順で作るか」と「その進み具合」に絞ったものが工程管理システムです。
範囲 | 主な機能 |
|---|---|
生産管理システム | 受注・生産計画・購買・在庫・工程・品質・原価・出荷 |
工程管理システム | 工程計画・スケジューリング・進捗管理・実績収集 |
進捗管理ツール | 実績の入力と進捗の可視化 |
選定でつまずくのは、この範囲を決めないまま比較を始めるケースです。
すでに基幹システムがあり工程の可視化だけを足したいなら工程管理システムで足ります。受注から原価まで一気に見直すなら生産管理システムが必要です。
比較を始める前に「どこまでをシステムに任せるか」を決めてください。範囲が曖昧なまま選ぶと機能が重複します!
工程管理システム導入の5つのメリット

Excel・紙管理からの移行で得られる効果は次の5つです。
- 工程進捗のリアルタイム可視化
- 納期遵守率の向上とスケジュール最適化
- ヒューマンエラーの削減と品質向上
- 原価と工数の把握精度が上がる
- 属人化の解消と技術継承
4つ目の原価と工数については、実績が工程単位で集まることで「どの製品のどの工程に時間がかかっているか」が数字で見えるようになります。
感覚で決めていた見積単価を、実績に基づいて見直せるようになる効果は小さくありません。
5つ目の属人化は、多品種少量生産の現場で特に大きな課題です。段取りや割り付けの判断がベテラン1人に集中していると、その人が不在の日に計画が止まります。
判断の条件をシステムに登録すれば、誰が操作しても同じ計画が出ます。
ここからは上位3つを詳しく見ていきます。
工程進捗のリアルタイム可視化
最大の効果は、現場に行かなくても進捗が分かることです。
Excel管理では、進捗を知るために現場を回るか、担当者に聞くしかありません。その情報が工程表に反映されるのは、早くて数時間後、遅ければ翌日です。その間に納期が危うい案件があっても気づけません。
工程管理システムでは、現場での作業開始と完了がその場で登録され、管理画面に即座に反映されます。
遅れが出ている工程が色で分かるため、当日中に応援を入れる、順序を入れ替えるといった判断ができます。
納期遵守率の向上とスケジュール最適化
2つ目は、無理のない計画を短時間で立てられることです。
Excelで工程表を作る場合、各設備の空き状況を人が確認しながら割り付けます。設備が10台、案件が50件を超えたあたりから、この作業は現実的でなくなります。
結果として、特定の設備に負荷が集中したまま計画が動き出します。
【生産スケジューラーとは】設備や人の能力、納期、優先度といった条件をもとに、作業の順序と割り付けを自動で計算する機能のことです。負荷の平準化(山崩し)まで行うものが一般的です。
生産スケジューラーを搭載した製品では、負荷を判断して代替設備に振り替える、納期の近い案件を優先するといった調整が自動で行われます。
飛び込みの特急案件が入っても、計画全体を組み直すのに数分しかかかりません。計画変更に強くなることが、そのまま納期遵守率につながります。
ヒューマンエラーの削減と品質向上
3つ目は、入力ミスと転記ミスが構造的に減ることです。
紙の日報を集めて事務所で入力する運用では、判読ミスと入力ミスが必ず一定量発生します。しかも間違いに気づくのは、集計した後になります。
バーコードやQRコードを使えば、作業者は指示書を読み取るだけで実績が登録されます。品番や工程を手で入力しないため、そもそも間違えようがありません。
品質面では、不良の発生をその場で登録できることが効きます。どの工程で、どのロットで、どんな不良が出たかが蓄積されると、原因の特定が早くなります。
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工程管理システムの主要機能

製品によって範囲は異なりますが、中核となる機能は3つです。
工程計画・スケジューリング機能
計画を立てるための機能です。
基本はガントチャートによる工程表の作成で、ドラッグ操作で工程の移動や期間の変更ができます。ここまでは多くの製品が備えています。
差が出るのは、自動立案の有無と精度です。設備の能力、段取り時間、作業者のスキル、納期、優先度といった条件をどこまで加味できるかで、出てくる計画の実用性が変わります。
管理単位を日単位までしか設定できない製品と、分単位まで設定できる製品では、使える現場が異なります。
進捗管理・日報管理機能
計画に対する実績を集める機能です。
入力手段は、パソコン、タブレット、スマートフォン、ハンディターミナル、バーコード、RFID、設備からの自動取得と幅があります。現場が続けられる手段を選べるかどうかが、この機能の実質的な評価軸です。
作業日報を兼ねる製品では、日報の作成と工数集計が同時に終わるため、事務作業そのものが減ります。
品質管理・トレーサビリティ機能
品質に関わる情報を記録し、追跡できるようにする機能です。
検査結果や不良の内容を工程ごとに登録し、不良率を集計します。傾向が見えれば、対策の優先順位を数字で決められます。
トレーサビリティは、製品や部品がどのロットの材料から、どの設備で、いつ作られたかをたどれる仕組みです。不具合が発生したときに影響範囲を特定できるため、回収の規模を最小限に抑えられます。
工程管理システムの選び方4つのポイント

確認すべき軸は4つです。
- 生産スケジューラーの搭載有無
- 導入形態(クラウド型かオンプレミス型か)
- 既存システム(ERP・在庫管理)との連携
- 現場が入力を続けられる仕組みかどうか
4つ目は見落とされやすい項目です。どれだけ高機能でも、現場が入力しなければ実績は集まらず、計画との比較ができません。
作業者が使う画面の操作数、手袋をしたまま操作できるか、ネットワークが不安定な場所でも使えるかを、実機で確認してください。
高機能でも現場が入力しなければ実績は集まりません。管理画面より先に、作業者が使う画面を見てください!
ここからは上位3つを見ていきます。
生産スケジューラーの搭載有無
最も重要な分岐点です。
多品種少量生産や個別受注生産では、案件ごとに工程も所要時間も変わります。人の手で最適な割り付けを出すのは現実的でないため、自動立案の機能が実質的に必須になります。
一方、同じ製品を繰り返し作る量産型では、工程の順序が固定されているため、スケジューラーの価値は相対的に下がります。この場合は実績収集と可視化に強い製品を選ぶほうが費用対効果が出ます。
確認したいのは、自動立案の有無だけでなく、計画変更にかかる時間です。特急案件が入ったときに全体を組み直せるか、それとも部分的な手直しになるかで、日々の使い勝手が変わります。
導入形態(クラウド型 vs オンプレミス型)
それぞれの特性は次のとおりです。
項目 | クラウド型 | オンプレミス型 |
|---|---|---|
初期費用 | 0〜数十万円 | 数百万円規模 |
月額 | 数万〜数十万円 | 保守費用 |
導入期間 | 短い | 長い |
カスタマイズ | 制限あり | 自由度が高い |
拠点間の共有 | 標準で可能 | 環境構築が必要 |
長期の総額 | 使い続けるほど増える | 初期投資後は保守のみ |
クラウド型は、まず1工程や1ラインから試したい場合に向きます。設備1台から試せる製品や、機能を段階的に追加できる製品を選べば、投資のリスクを抑えられます。
オンプレミス型は、外部にデータを出せない、あるいは既存システムと密に連携させたい場合の選択肢です。5年、10年と使う前提なら、総額でクラウド型を下回ることもあります。
既存システム(ERP・在庫管理)との連携
工程管理システムを入れても、受注データや品目マスタを手で入力し直しているなら、作業の場所が変わっただけです。確認すべきは3点です。
- 連携の方式:CSVでの受け渡しか、APIによるリアルタイム連携か
- 連携の範囲:受注、品目マスタ、在庫、原価のどこまでをつなぐか
- 自社の基幹システムとの実績:製品名を挙げて具体的に確認する
既存システムが古く連携の口を持たない場合は、工程管理だけを足すより、生産管理まで含めて統合された製品に移行したほうが総コストが下がることもあります。
受注データの入口となる受発注の仕組みも見直すなら、受発注システムの比較もあわせて確認してください。
個別受注・多品種少量生産向けの工程管理システム
1品ごとに工程が変わる、あるいは品種が多く計画変更が頻繁に起きる現場向けの製品です。計画の自動立案があるかどうかが選定の分かれ目になります。
Seiryu

テクノアが提供する、多品種少量生産の中小製造業向け生産スケジューラです。
特徴は割り付けの自動化です。機械の負荷状況を判断し、納期に間に合うよう代替機械を考慮して自動で割り当てます。ベテランの判断に依存していた計画業務を、誰でも回せる形に置き換えられます。
計画の確認は、機械別、製番別など複数の表示パターンで行えます。販売管理システムや生産管理システムとの連携にも対応しています。料金は公式サイトで公開されていないため、問い合わせが必要です。
公式サイト:https://www.techs-s.com/product/seiryu
ものレボ

多品種少量・短納期の製造業向けクラウドアプリです。
料金が明快な点が特徴で、エントリーが月額77,000円、スタンダードが187,000円、エンタープライズが297,000円(税区分は公式サイトに記載がないため要確認)です。重要なのは、全プランに工程管理機能と自動スケジューリングが含まれることです。
安いプランを選んだら自動立案が使えない、という事態が起きません。
追加IDは管理者権限が1人あたり月額1,650円、作業者権限が660円で増設でき、作業者中心の増員であれば費用の伸びを抑えられます。オプションでAIによる類似図面検索(月額33,000円)も利用できます。
保守や更新の費用は月額に含まれます。オプションのAI類似図面検索を使えば、図面をもとに過去の類似案件の工数や見積を参照できるため、繰り返し性のある受注が多い工場で効果が出ます。
公式サイト:https://monorevo.jp/
Dr.工程Pro

セイロジャパンが提供する、金型製造業向けの工程管理システムです。
金型製造は1品ごとに工程も工数も変わるため、汎用の工程管理では扱いにくい領域です。この製品は納期や優先度といった条件を加味した日程計画を自動立案し、負荷の山崩しまで行います。
工場全体の負荷と、個々の機械・人のリソースを統合して管理できる点も特徴です。実績の収集方法も現場の業態に合わせて選べます。
中国語版と英語版が用意されており、海外拠点を持つ企業でも同じ仕組みで運用できます。原価管理製品と連動させれば、工程実績から原価までを一貫して把握できます。料金は要問い合わせです。
公式サイト:https://www.saeilo.co.jp/products/Drkotei.html
DIRECTOR6

シムトップスが提供する、個別受注・多品種少量生産向けの生産スケジューラと工程管理システムです。リリース時から30年にわたり、個別受注・多品種少量生産に特化して提供されてきました。
得意領域は個別受注生産と多品種少量生産です。資源、設備、納期を考慮した最適なスケジュールを自動で立案し、設計変更や特急案件が入っても組み直せます。
スケジューリングだけでなく、進捗と実績の可視化、原価管理まで一体で扱える点が特徴です。BIダッシュボードと統合する「DIRECTOR Cockpit」により、計画・実績・進捗・売上を一元的に分析できます。
カスタマイズなしでの導入を前提とした設計で、低コストかつ短期間で立ち上げられる点も特徴です。日程、負荷、進捗、実績、原価、購買、在庫までを扱い、計画から実績までのつながりを強化するMESとして位置づけられています。ライセンスは買い切り型で、公式が示すモデルケースは基本パッケージが4,900,000円〜、部門全体で使う構成が7,000,000円〜、原価・購買・在庫まで含めた構成が12,000,000円〜(いずれも税抜)です。
【MESとは】Manufacturing Execution System(製造実行システム)の略です。製造現場の設備や作業者から実績を集め、計画と実行をつなぐ役割を担います。
公式サイト:https://director-scheduler.jp/
サクっと工程

大塚商会が提供するクラウド型の工程管理システムです。
対象は部品加工業で、一品もの、試作品、小ロットの部品を加工する工場を想定しています。機能は受注管理、手配リスト管理、発注・受入管理、工程進捗のガントチャート表示、作業日報管理、出荷管理と、必要な範囲に絞られています。
現場の実績入力はタブレットに対応し、バーコードスキャナーを併用すれば作業工数を正確に把握できます。製造現場に出向かなくてもリアルタイムに進捗を確認できるため、遅延の防止と納期短縮につながります。
費用はモデル料金で初期700,000円、月額57,000円です。金額が公開されているため、予算の見通しを立てやすい製品です。
公式サイト:https://www.otsuka-shokai.co.jp/erpnavi/category/manufacturing/rakuraku-kaizen/sakutto-koutei/
量産・繰り返し生産向けの工程管理システム
工程が比較的固定されている生産で、実績の収集と生産管理全体の統合に強い製品です。
SmartF

ネクスタが提供するクラウド型の製造業向けシステムです。
最大の特徴はスモールスタートへの対応です。最小限の機能から導入し、必要に応じて段階的に追加していけます。工程管理だけで始めて、後から在庫管理や品質管理を足すという進め方が取れます。
カバーする範囲は、在庫、購買、工程、原価、品質、設備、保守部品と広く、将来的に生産管理全体へ広げたい場合の受け皿になります。
対応業種は食品、化粧品、化学品、医薬品、産業機械装置・組立品、金属加工、基板実装、自動車部品、成型品の9業種で、ロット管理が求められる業種もカバーします。料金は要問い合わせです。
公式サイト:https://smartf-nexta.com/
このタイプでは、生産管理まで含む統合型も選択肢に入ります。
ADAP

構造計画研究所が提供する製造業向けのシステムです。調達から生産、物流までのサプライチェーンを一体で可視化します。
特徴はイベントドリブン型の設計で、変更が起きるたびに計画が自動で再計算されます。MRPと負荷調整を組み合わせたAPS機能を持ち、生産負荷に応じてリードタイムを動的に計算します。計画を一部門に集中させず、各部門が参加する形で運用する思想です。
公式サイト:https://hp.adap.kke.co.jp/
WorkGear

モリックスが提供する中小製造業向けの統合システムです。販売、購買、生産計画、在庫、工程進捗、請求までを1つの仕組みでカバーします。
ラインアップは4種類で、販売・購買管理に絞ったスモールスタートモデル、部品加工向け、BOM管理を加えた組立加工向け、MRP計算・トレーサビリティ対応の本格生産管理モデルから選べます。データを格納するサーバーはクラウド・オンプレミスのいずれかを選択できます。価格は公式サイトで公開されておらず、資料請求のうえ問い合わせる形になります。
公式サイト:https://morix.co.jp/workgear/
生産革新 Wun-jin SMILE V Air

OSKが提供する多品種小ロット生産の加工業向け製品です。同社のクラウドソリューションの一部として提供され、工程管理にとどまらず生産管理全体を扱います。料金は要問い合わせです。
公式サイト:https://www.kk-osk.co.jp/products/air_v_industry/wunjin.html
\日本初のBubble公式アンバサダー Opt.dev/
現場データ収集・可視化に強いツール
計画の自動立案よりも、現場の実績を集めて可視化することに主眼を置いた製品です。
IB-Mes

ユニフェイスが提供する製造実行システムです。生産進捗、品質、設備、労務、分析、トレーサビリティを標準で備え、オンプレミス版とクラウド版の両方が用意されています。
設備1台からのトライアル導入が可能で、効果を確かめてから範囲を広げられます。ERP、カメラ、スマートウォッチ、QRコード、RFIDとの連携に対応します。補助金の活用実績もありますが、制度は2026年に再編されており(IT導入補助金は「デジタル化・AI導入補助金2026」、ものづくり補助金は「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」に一本化)、適用可否は最新の公募要領で確認してください。
公式サイト:https://uni-face.co.jp/factoryib/ibmes/
UM工程進捗

シナプスイノベーションが提供するSalesforce基盤のクラウドサービスです。製造指示、進捗管理、部品表、所要量計算、実績登録、在庫管理をカバーします。
実績の入力手段が豊富で、スマートフォン、タブレット、ハンディターミナル、バーコード、IoT連携から現場に合うものを選べます。IoT連携による実績の自動収集にも対応します。料金はUM基本パック(10ID・月額35,000円)に業務モジュール「UM工程進捗」(10ID・月額15,000円)を組み合わせる形で、最小構成は月額50,000円です(いずれも税抜・年間契約)。業務モジュール単体では利用できません。
公式サイト:https://www.umsaascloud.jp/product/umproductionmanagement/
A-Eyeカメラ

テクノアが提供するツールで、大塚商会などの販売パートナー経由でも導入できます。工程管理システムそのものではなく、実績収集を補完する位置づけになります。
ネットワークカメラで積層信号灯などを撮影し、AI画像認識で設備の稼働状況や稼働率、エラー発生を自動でデータ化します。年代やメーカーの異なる設備が混在していても稼働データを取得できるため、古い設備が多い工場で有効です。費用は開発元テクノアの公表値で、初期費用が10ユーザーパック300,000円+システムセットアップ200,000円+稼働監視用AIモデル作成500,000円(いずれも税抜)です。月額利用料は監視対象1件あたりで、ネットワークカメラ版が2,000円、AI搭載カメラ版が3,000円(いずれも税抜)となります。別途、パソコンやネットワークカメラなどのハードウェアが必要です。
公式サイト:https://www.techs-s.com/product/a-eye-camera
工程管理システム導入の進め方

製品選定と同じくらい、導入の進め方が結果を左右します。
業務フロー整理から段階的導入へ
システムを選ぶ前に、現在の業務フローを工程ごとに書き出してください。
誰が計画を立て、どのタイミングで、どんな情報をもとに判断しているか。実績は誰がどうやって集めているか。この整理をせずに導入すると、既存のやり方をそのままシステムに再現しようとして、カスタマイズ費用が膨らみます。
書き出したうえで、どの工程のどの課題を解決したいのかを1つに絞ります。「納期遅れの原因が特定できない」なのか「工数が分からず見積の精度が低い」なのかで、必要な機能は変わります。
展開は段階的に進めるのが確実です。まず1ラインまたは1工程で運用し、実績が集まる状態を作ってから範囲を広げます。設備1台から試せる製品や、機能を追加できる製品を選んでおくと、この進め方が取りやすくなります。
整理した業務フローに合うパッケージが見つからないときは、ノーコードでの業務システム開発も検討の対象になります。
現場定着のための教育と運用ルール策定
導入が失敗する最大の理由は、現場が入力しなくなることです。
そのため、作業者が使う画面は必ず実機で確認してください。1つの実績を登録するのに何回タップが必要か、手袋をしたまま操作できるか、通信が不安定な場所でも動くか。
管理側の機能がどれだけ充実していても、ここが使いにくければ実績は集まりません。あわせて、次のルールを決めておきます。
- 実績を入力するタイミング(作業の開始時と完了時か、区切りごとか)
- トラブルで作業が止まったときの記録方法
- 計画変更を誰がいつ行うか
- 紙の日報をいつやめるか
教育では、操作方法だけでなくなぜ入力するのかを共有することが効きます。入力した実績が自分たちの負荷の平準化や見積の精度向上に返ってくると理解されれば、定着率は大きく変わります。
まとめ:Excel管理を脱却し、工程の見える化を実現しよう
工程管理システム選びの要点を振り返ります。
まず、どこまでをシステムに任せるかを決めてください。工程の可視化だけでよいのか、受注から原価まで見直すのかで、候補は大きく変わります。
次に、生産スケジューラーの要否を判断します。多品種少量生産や個別受注生産なら自動立案は実質的に必須で、量産型なら実績収集に強い製品のほうが費用対効果が出ます。
そして、現場が入力を続けられるかを実機で確かめてください。実績が集まらなければ、計画との比較ができず、システムは工程表を作るだけの道具になります。
状況別おすすめ早見表
自社の状況に近い行から検討を始めてください。
自社の状況 | 検討対象の製品 |
|---|---|
多品種少量で急な計画変更が多い | Seiryu/DIRECTOR6 |
金型など1品ごとに工程が変わる | Dr.工程Pro |
部品加工で費用の見通しを先に立てたい | サクっと工程 |
まず小さく始めて段階的に広げたい | SmartF/IB-Mes |
作業者権限の追加コストを抑えたい | ものレボ |
スマホやIoT連携など入力手段を選びたい | UM工程進捗 |
変更のたびに計画を自動再計算したい | ADAP |
月額課金を避け買い切りにしたい | DIRECTOR6 |
販売・購買から請求まで一体で管理したい | WorkGear |
生産管理全体を刷新したい | 生産革新 Wun-jin SMILE V Air |
古い設備の稼働データを取りたい | A-Eyeカメラ |
Excelの工程表は、作った瞬間から実態とずれ始めます。ずれを埋める作業に人手をかけ続けるより、実績が自動で入ってくる状態を作るほうが、結果として工数もコストも下がります。
まずは無料トライアルやデモが用意されている製品を2〜3つ選び、自社の実際の案件で工程を組んでみてください。
資料を読み比べるより、1つの案件を最後まで通してみるほうが、自社に合うかどうかは早く分かります。
\日本初のBubble公式アンバサダー Opt.dev/
