ノーコードを使えば、プログラミング未経験でもスマホアプリを作れます。この記事では、無料で使えるツール6選の比較、用途別の選び方、実際の成功事例、外注した場合の費用相場までを整理し、「自分の目的に合う作り方」が分かるようにまとめました。
結論、スマホアプリはノーコードで作れる!ただし「何を作るか」で最適なツールと向き不向きが変わります。
ノーコードでスマホアプリが作れる無料ツール6選
スマホアプリを作れる代表的なノーコードツールは、無料または無料トライアルから始められるものが中心です。ここでは6つのツールを「既存データ活用型」「本格的なアプリ開発型」「業務アプリ特化型」の3グループに分けて紹介します。まず全体像を一覧で確認しましょう。
(料金は2026年7月時点の各公式サイト情報です。為替・改定で変動するため、契約前に各公式サイトで最新をご確認ください。海外ツールは1ドル=約150円換算の目安を併記します)
ツール | タイプ | 無料 | 最低有料プラン | iOS/Android | ストアへの公開方法 |
|---|---|---|---|---|---|
Power Apps | 既存データ活用型 | あり(開発者向け) | Premium 2,998円/ユーザー月〜 | 両対応 | 自社配布中心(コンテナ/独自化) |
AppSheet | 既存データ活用型 | あり(10名まで) | 5ドル/ユーザー月〜(約750円) | 両対応 | ブランドアプリで両ストア公開可(Core以上) |
Adalo | 本格アプリ型 | あり | 36ドル/月〜(約5,400円) | 両対応 | ネイティブで両ストア公開可 |
Bubble | 本格アプリ型 | あり | Web版32ドル/月〜(約4,800円、2026年10月20日から)/ストア公開はMobile 42ドル/月〜 | 両対応 | 純正機能で公開可(Mobileプランが必要・現在ベータ) |
Glide | 既存データ活用型 | あり | 25ドル/月〜(約3,750円) | 両対応 | ストア公開は非対応(PWA) |
Platio | 業務アプリ特化型 | 1ヶ月試用のみ | 月27,000円〜 | 両対応 | 専用プレイヤーアプリ内で実行 |
Power Apps・AppSheet|既存データ活用型
既存データ活用型は、Excelやスプレッドシートなどのデータをそのままアプリ化できるタイプです。すでに社内にあるデータを使って、素早く業務アプリを立ち上げたい場合に向いています。
Power Apps(パワーアップス)

Power Apps(パワーアップス)は、Microsoftが提供する業務アプリ作成ツールです。Excelや各種データベースと連携し、社内向けのスマホ業務アプリを作れます。無料の開発者向けプラン(Developer Plan)で構築を試せ、本格運用はPremiumが月2,998円/ユーザー(税別・年払い)からです。iOS・Androidに両対応しますが、公開は「Power Apps」アプリ経由での社内配布が基本で、一般向けのストア公開には制約があります。
公式:https://www.microsoft.com/ja-jp/power-platform/products/power-apps/pricing
AppSheet(アップシート)

AppSheet(アップシート)は、Googleが提供する既存データ活用型のツールです。Googleスプレッドシートやデータベースを元に、モバイル業務アプリを作れます。最大10ユーザーまで無料で試用でき、有料はStarterが月5ドル(約750円)/ユーザーからです。標準では「AppSheet」アプリ内で動きますが、ブランドアプリ機能(Core(最低10ライセンス)またはPublisher Pro)を使えば独自アプリとしてApp Store・Google Playに公開できます。
公式:https://about.appsheet.com/pricing/
Adalo・Bubble|本格的なアプリ開発型
本格アプリ型は、デザインや機能を一から作り込み、一般ユーザー向けのアプリを開発したい場合に向くタイプです。自由度が高い分、ある程度の学習は必要になります。
Adalo(アダロ)

Adalo(アダロ)は、モバイルアプリを一から設計できる海外ツールです。ドラッグ&ドロップで画面を作り、iOS・Androidの両方に対応します。無料プランがあり、有料はStarterが月36ドル(約5,400円、年払い)からです。最大の強みは、Webラッパーではない本物のネイティブアプリとしてApp Store・Google Playに公開できる点です。ただしストア公開には、別途Apple(年99ドル)とGoogle(25ドル)の登録費用がかかります。
公式:https://www.adalo.com/pricing/
Bubble(バブル)

Bubble(バブル)は、Webアプリからモバイルアプリまで幅広く作れる汎用ツールです。データベースや外部連携まで作り込めるため、SaaSのような本格的なサービス開発にも使われます。無料プランがあり、有料はStarter(Web版)が月32ドル(約4,800円、年払い。2026年10月20日からの価格)からです。ネイティブアプリのストア公開に対応する純正機能もありますが、こちらは別途Mobileプラン(月42ドル〜)またはWeb+Mobileプラン(月59ドル〜)の契約が必要で、現時点ではパブリックベータ(試験提供)の段階です。
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Glide・Platio|業務アプリ特化型
業務アプリ特化型は、社内の点検・報告・管理業務などを、現場で使いやすいアプリにしたい場合に向くタイプです。
Glide(グライド)

Glide(グライド)は、スプレッドシートを元にアプリを作れる海外ツールです。操作が手軽で、社内ポータルやダッシュボード、簡易CRMなどをスピーディに作れます。無料プランがあり、有料はSoloが月25ドル(約3,750円)からです。注意点として、GlideのアプリはPWA(ホーム画面に追加して使うWebアプリ)で、App StoreやGoogle Playへの公開には対応していません。
公式:https://www.glideapps.com/pricing
PWAとは
Progressive Web Appの略で、Webサイトをスマホのホーム画面に追加し、アプリのように使える仕組みです。
ストアを介さず利用できる一方、ネイティブアプリほど端末機能を細かく使えない場合があります。
Platio(プラティオ)

Platio(プラティオ)は、現場向けモバイル業務アプリに特化した国産ツールです。点検・報告・日報・在庫管理など、現場のスマホ入力を前提とした業務に強く、完全日本語対応で導入事例も豊富です。恒久無料プランはなく1ヶ月の無料トライアルがあり、有料はLiteが月27,000円(税別)からです。作ったアプリは無料の「Platio」プレイヤーアプリ内で動く方式で、独自アプリのストア公開ではない点は理解しておきましょう。
一般ユーザー向けにストア公開したいならAdalo、社内の現場業務ならPlatioやPower Apps、手軽さ重視ならGlideが選びやすい!
ノーコードツールの選び方|4つの判断基準

ツールは知名度ではなく「目的に合うか」で選ぶと失敗しません。以下の4つの判断基準で見比べましょう。
判断基準は次の4つです。
1. 用途(一般公開アプリか、社内業務アプリか)
2. ストア公開の要否(App Store/Google Playに出す必要があるか)
3. 既存データの活用(Excel・スプレッドシートを使いたいか)
4. 予算と料金体系(無料の範囲・ユーザー課金か定額か)
用途別のおすすめ選択フロー
まず「誰が使うアプリか」で方向性が決まります。一般ユーザーにストア配信したいならAdalo、社内の現場業務ならPlatioやPower Apps、既存のスプレッドシートを活かすならAppSheetやGlideが有力です。本格的なサービスを一から作り込むならBubbleが候補になります。「作りたいものの種類」から逆算すると、候補は2〜3個に絞り込めます。
無料プランの制約と有料プランへの移行判断
無料プランは「お試し」と割り切るのが基本です。多くのツールは無料プランにアプリ数・データ件数・機能の制限を設けているためです。たとえばPlatioは1ヶ月の無料トライアルのみで、継続には有料契約が必要です。無料の範囲で操作感や実現性を検証し、本番運用の目処が立った段階で有料プランへ移行するのが、コストを抑える進め方です。特にユーザー課金型(Power Apps・AppSheetなど)は利用人数で費用が変わるため、想定人数での試算を忘れないようにしましょう。
ノーコードでスマホアプリを作った成功事例5選
ノーコードは実際の現場で成果を上げています。ここでは公式に公表されている事例から、業務効率化3件・新規サービス2件を紹介します。
業務効率化事例(点検・配送記録・チケット管理)

1つ目は施設点検の事例です。リゾート運営のリロバケーションズは、Platioで150項目を超える施設点検アプリを内製し、年間1,000時間超の業務削減と67,200枚のペーパーレス化を実現しました。
引用元:Platio導入事例(リロバケーションズ) https://plat.io/ja/case/relovacations
2つ目は配送記録の事例です。運送業の洛西貨物自動車は、Platioで配送記録アプリをアプリ開発未経験の担当者が約2日で作成し、紙と電話でのやり取りを削減しました。
引用元:アステリア ニュース(洛西貨物自動車) https://jp.asteria.com/news/2023072610817/
3つ目はチケット・案件管理の事例です。バレーボールチームのフォレストリーヴズ熊本は、Platioでチケットや案件を管理するアプリを導入し、チケット手配にかかる時間を50時間から10分に、担当を3名から1名に削減しました。
引用元:Platio導入事例(フォレストリーヴズ熊本) https://plat.io/ja/case/forest-leaves
こうした現場業務の効率化は、大企業でも進んでいます。トヨタ自動車の田原工場では、Power Appsで保全作業を管理するアプリを内製し、1件あたり9分の短縮、5課への展開で月約475時間の削減につながりました。
引用元:日本マイクロソフト 導入事例(トヨタ自動車 田原工場) https://news.microsoft.com/ja-jp/2023/02/14/230214-toyota-motor-tahara-plant/
新規サービス開発事例

ノーコードは、スタートアップの新規サービス立ち上げにも使われています。米国のVoiceDropは、Bubbleで開発したAI音声営業ツールを3か月未満でリリースし、公開から12か月で年間経常収益(ARR)100万ドルを達成しました。
引用元:Bubble公式ブログ(VoiceDrop) https://bubble.io/blog/voicedrop/
ARRとは
Annual Recurring Revenueの略で、サブスクリプションなど毎年継続的に得られる収益を年換算した金額です。
同じく米国のGiveLocalは、地元店舗のギフトカードを販売するサービスをBubbleでわずか3日で開発・公開し、1週間以内に大手メディアのUSA Todayに買収されました。このように、アイデアを素早く形にして市場に投入できる点が、ノーコード開発の大きな武器です。
引用元:Bubble公式ブログ(GiveLocal) https://bubble.io/blog/givelocal-coronavirus-startup/
ノーコードは「現場の業務改善」でも「新規サービスの立ち上げ」でも成果を出せる!まずは小さく作って試すのが成功の共通点です。
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ノーコードでのアプリ開発を外注する場合の費用相場
自作が難しい場合は、ノーコード開発会社への外注も選択肢です。外注費用の相場は規模によって幅があり、小規模なら数十万円、大規模でも1,000万円程度に収まるケースが中心です。
ノーコード開発会社への依頼費用の目安

外注費用は、作るアプリの規模と機能数で決まります。一般的な相場は以下のとおりです。
規模 | 費用相場 | 開発期間の目安 | 内容の例 |
|---|---|---|---|
小規模(MVP・検証用) | 30万〜250万円 | 2週間〜2ヶ月 | 機能を絞った検証用アプリ |
中規模(実運用向け) | 100万〜600万円 | 2〜4ヶ月 | 業務で使える本格的なアプリ |
大規模(外部公開・多機能) | 300万〜1,000万円超 | 3〜6ヶ月以上 | 外部連携・多機能を含むアプリ |
上記に加え、月額の運用費として数千円〜5万円程度がかかるのが一般的です。自作でツール利用料を抑える方法と、外注してスピードと品質を確保する方法を、目的と社内リソースに応じて使い分けるとよいでしょう。まずは小規模なMVP開発からスモールスタートすると、リスクを抑えて検証できます。
ノーコード以外の開発手法も含めた費用感は、アプリ開発費用の相場で種類別・手法別に比較しています。
ノーコードアプリ開発の注意点と限界

ノーコードは便利ですが、万能ではありません。導入前に、カスタマイズ性・パフォーマンス・セキュリティの制約を理解しておきましょう。
カスタマイズ性・パフォーマンスの制約
ノーコードは、ツールが用意した機能の範囲でしか作れないという制約があります。独自性の高いデザインや複雑な処理、標準的なAPIを持たない古いシステムとの連携は、対応しづらいのが実情です。サービスが成長して要件が複雑になると、最終的にスクラッチ開発へ作り直す(リビルドする)ケースもあります。また、多くのツールはWebの技術をベースにしているため、ネイティブアプリと比べると、動作速度や端末機能の細かい活用面で差が出やすい傾向があります。
セキュリティとデータ管理の考慮点
セキュリティ面では、データがツール提供会社のクラウドに保管される点を理解しておく必要があります。セキュリティ対策の一部はツール側に依存するため、SOC 2やISO 27001などの第三者認証の有無を確認しておくと安心です。また、権限設定やアクセス制御は利用者側の責任範囲です。設定ミスによる情報漏えいは、ノーコード特有のリスクとして指摘されています。
引用元:OWASP「Low-Code/No-Code Top 10」 https://github.com/OWASP/www-project-top-10-low-code-no-code-security-risks
ベンダーロックインとは
特定のツールやサービスに依存し、他社製品や自社運用への乗り換えが難しくなる状態です。
ノーコードではデータのエクスポート可否を事前に確認しておくと安心です。
ノーコードでスマホアプリを作る3つのメリット

ノーコードでスマホアプリを作るメリットは、大きく「コスト」「スピード」「非エンジニアでも作れること」の3つです。順に見ていきます。
開発コストをスクラッチ開発の1/3以下に抑えられる
ノーコード開発は、スクラッチ開発に比べてコストを大きく抑えられます。コードを一から書く工程を省けるためで、複数の開発会社の情報では「スクラッチの3分の1程度もしくはそれ以下」に抑えられると言われています。ただしこれは初期の開発費を中心とした目安で、運用費やライセンス料、追加改修を含めたトータルでは差が縮む場合もあります。コストだけでなく、長期的な運用も含めて比較することが大切です。
スクラッチ開発とは
既製のツールや雛形を使わず、ゼロからすべてを設計・プログラミングして開発する手法です。
自由度は高い一方、費用と期間は大きくなります。
数日〜数週間でアプリをリリースできるスピード感
ノーコードは、開発スピードの速さも大きな魅力です。シンプルなアプリであれば数日、一般的な業務アプリでも数週間で形にできるケースがあります。前述のリロバケーションズや洛西貨物自動車のように、実際に数日でアプリを作った事例もあります。
ただし、機能が多く複雑なアプリでは1〜数か月かかることもあるため、規模に応じて期間を見積もりましょう。非エンジニアの担当者が自ら開発・改修できるため、リリース後の改善サイクルを速く回せる点も強みです。
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ノーコード開発でスマホアプリは本当に作れるのか
ノーコードでスマホアプリは作れます。ここでは基礎知識として、ノーコード開発の仕組みとローコードとの違いを整理します。
ノーコード開発とは?仕組みをわかりやすく解説
ノーコードとは
ソースコードを一切書かずに、画面上の操作だけでアプリやWebサイトを開発できる手法・ツールのことです。
あらかじめ用意された部品をドラッグ&ドロップで組み合わせることで、コードを書かずに画面・データ・処理の流れを作れます。専門知識がなくてもアイデアを短時間で形にできるため、非エンジニアやスモールビジネスを中心に普及が進んでいます。
ノーコードとローコードの違い
ローコードとは
最小限のコード記述で開発できる手法・ツールです。
ノーコードより自由度が高く、複雑な要件に対応しやすい反面、一定のエンジニア知識が求められます。
ノーコードとローコードの違いは、コードを書く量にあります。ノーコードは「コードを書かない」ため非エンジニア向き、ローコードは「少しだけ書く」ため開発者の効率化に向いています。
今回紹介したツールの中では、Power AppsやBubbleはローコード的な作り込みにも対応でき、GlideやAppSheetはよりノーコード寄りで手軽に使えます。作りたいものの複雑さと、扱う人のスキルに合わせて選ぶとよいでしょう。
スマホアプリのノーコード開発でよくある質問
iOSとAndroid両方に対応できる?
基本的に、今回紹介した6ツールはすべてiOS・Androidの両方に対応しています。1つのアプリを作れば両OSで使えるため、iOS版とAndroid版を別々に開発する必要はありません。これは、OSごとに開発するスクラッチ開発と比べた大きなメリットです。
ノーコードで作ったアプリをApp StoreやGoogle Playに公開できる?
公開できるかはツールによって異なります。Adaloは本物のネイティブアプリとして両ストアに公開でき(別途Apple・Googleの登録費用が必要)、AppSheetもCore以上のブランドアプリ機能で公開できます。
Bubbleは純正のストア公開機能がありますが、Mobileプラン(月42ドル〜)の契約が必要で、現時点ではパブリックベータの段階です。一方、GlideはPWAのためストア公開に非対応、PlatioやPower Appsは専用アプリ内で動かす方式が基本です。
Google Playでの配信を考えている方は、Androidアプリをノーコードで開発する方法もあわせて確認しておくと安心です。
まとめ|目的に合ったノーコードでのスマホアプリ開発を
ノーコードなら、プログラミング未経験でもスマホアプリを作れます。本記事の要点を整理します。
- スマホアプリを作れる無料ツールは、Power Apps・AppSheet・Adalo・Bubble・Glide・Platioが代表的
- 選び方は「用途・ストア公開の要否・既存データ活用・予算」の4基準で判断する
- 点検や案件管理などの業務効率化から、新規サービス開発まで幅広い成功事例がある
- 外注費用は小規模30万円〜、中規模100万円〜、大規模300万円〜が相場
- カスタマイズ性・パフォーマンス・セキュリティには制約があり、目的に応じた見極めが必要
まずは無料プランで小さく試し、実現できそうかを検証するのがおすすめです。「自社の業務に本当にノーコードで対応できるか」「ストア公開や外部連携まで含めてどう作るべきか」など、判断が難しい場合は、要件整理から対応できる開発パートナーへの相談も検討してみてください。

