ノーコード開発の費用は「ツール利用料・外注費・自社開発の人件費」の3つに分かれ、月額0円から、外注なら数十万〜数百万円が相場です。本記事では主要16ツールの料金一覧、規模別の外注相場、スクラッチ開発との費用差、コストを抑える具体策までを企業担当者向けに整理します。

ノーコード開発の費用は「ツール代+つくる手間」の合算で決まる!まずは下の早見表で全体の相場感をつかみましょう。

費用早見表|ノーコード開発にかかる3つのコスト

費用の種類

相場の目安

内容

① ツール利用料

月額 0円〜数万円

ノーコードツールのサブスクリプション料金

② 外注開発費

50万〜500万円超(一括)

開発会社に制作を委託する場合の費用

③ 自社開発の人件費

月額 数千〜数万円+社内工数

自社の担当者が学習・構築・運用する人的コスト

ノーコード開発の総額は、この3つのうち「どれを選ぶか・組み合わせるか」で決まります。自社で内製すればツール利用料と人件費のみ、外注すれば開発費が加わります。以下で各費用の内訳を詳しく解説します。

ノーコード開発にかかる費用の全体像

ノーコード開発の費用は、大きく「ツール利用料」と「開発にかかる人件費」の2軸で構成されます。結論として、内製中心なら月数千円〜数万円のランニングコストで収まり、外注すれば初期に数十万〜数百万円が加わる構造です。

ノーコード開発とは?
プログラミングのコードを書かずに、画面上の操作だけでアプリや業務システムを作る開発手法です。
あらかじめ用意された部品を組み合わせて構築するため、専門のエンジニアがいなくても開発でき、期間とコストを抑えやすいのが特徴です。

ノーコード市場は拡大を続けており、ITRの調査ではローコード/ノーコード開発市場の2024年度の売上は994億円(前年度比+15.1%)で、2025年度は前年度比14.9%増と予測されています。2024〜2029年度の年平均成長率(CAGR)は12.9%の見込みです。低コストで開発できる手段として、企業の導入が加速しています。

引用元:ITR「ITR Market View:ローコード/ノーコード開発市場2026」 https://www.itr.co.jp/report-library/m-26000400

ノーコード開発では費用を考える際、ツール代だけでなく「誰がつくるか(人件費)」をセットで捉えることが重要です。

ツール利用料(サブスクリプション費用)

ツール利用料は、ノーコードツールを使い続けるための月額または年額の固定費です。相場は月額0円〜数万円で、無料プランから始められるツールも多く、本格運用でも月数千〜2万円程度が中心帯です。

料金体系は主に3タイプに分かれます。1つ目は「定額制」で、月額いくらと決まっているタイプです。2つ目は「ユーザー課金型」で、利用人数(ID数)に応じて料金が増えるタイプです。3つ目は「従量課金型」で、処理量やアクセス数に応じて変動するタイプです。

サブスクリプションとは?
製品やサービスを買い切るのではなく、月額・年額で継続利用する料金形態です。
ノーコードツールの多くはこの形式で、使い続ける限り費用が発生します。

注意したいのは、ユーザー数が増えると費用が膨らむツールがある点です。たとえば1ユーザー1,800円のツールを50人で使えば、それだけで月額9万円になります。利用人数の想定は、ツール選定の段階で必ず確認しておきましょう。

開発にかかる人件費(自社 or 外注)

開発の人件費は、アプリを「誰がつくるか」で大きく変わります。結論として、自社内製ならツール代+社内工数のみ、外注すれば開発会社への委託費(数十万〜数百万円)が発生します。

自社開発の場合、表面上はツール利用料(月数千〜数万円)だけに見えますが、担当者の学習時間や構築工数という「見えない人件費」がかかります。シンプルな業務アプリなら数日〜数週間で作れますが、複雑な要件では社内の負担が大きくなります。

外注の場合は、要件定義から設計・構築・テストまでを開発会社が担うため、その分の費用がかかります。スピードと品質を確保したい場合や、社内にリソースがない場合は外注が現実的な選択肢です。

「ツール代は安いのに思ったより高くついた」の正体は、たいてい人件費!内製か外注かを最初に決めるのが費用設計の第一歩です。

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主要ノーコードツールの料金比較一覧

主要なノーコードツールの料金は、月額0円〜2万円程度が中心帯です。ここでは用途別に「汎用型」「業務アプリ型」「Webサイト・EC型」の3カテゴリに分けて、代表的なツールの料金を一覧で示します。

(料金は2026年5月時点の各社公開情報に基づきます。為替や改定で変動するため、最新は各公式サイトをご確認ください)

汎用型ツールの料金(Bubble・Click・Adalo等)

汎用型は、Webアプリやマッチングサービスなど自由度の高い開発に向くツールです。料金は月額3,000円〜数万円が中心で、機能の自由度が高いぶん、上位プランや処理量による加算が発生しやすい傾向があります。

ツール

料金(月額)

特徴

Bubble

Starter $32/Growth $119/Team $349

自由度が高い。処理量(WU)による従量課金あり

Click

Standard 4,980円/Pro 21,780円(税込)

日本製・日本語対応。無料プランあり

Adalo

Starter $36/Professional $52/Team $160

スマホアプリ開発に強い。無料プランあり

Glide

無料+Solo $25/Team $125+$10/メンバー

スプレッドシート連携が手軽

※ドル表記の料金は年払い時の月額換算です。月払いの場合は、BubbleがStarter $39/Growth $134/Team $399、AdaloがStarter $43〜となります。BubbleのStarterは、Web版の2026年10月20日からの価格です。

Bubbleは自由度が高い一方、「ワークロードユニット(WU)」という処理量に応じた従量課金がある点に注意が必要です。アクセスや処理が増えると上位プランや追加費用が発生するため、運用規模に合わせた見積もりが欠かせません。

引用元:Bubble 公式料金ページ https://bubble.io/pricing

Clickは日本発のツールで、すべて日本語環境で開発でき、Standardプランは月額4,980円(税込)から利用できます。海外ツールの英語UIに不安がある場合は、国産ツールが選択肢になります。

業務アプリ型ツールの料金(kintone・Platio・AppSheet等)

業務アプリ型は、社内の在庫管理・日報・申請業務などを効率化するツールです。料金はユーザー課金型が多く、1ユーザーあたり月額300円〜2,000円が相場です。利用人数が費用を左右するため、人数想定が重要になります。

ツール

料金(月額)

特徴

kintone

ライト1,000円/スタンダード1,800円(1ユーザー)

最低10名から。国内導入実績が豊富

PigeonCloud

5ユーザーまで5,500円固定(以降1,100円/人)

Webデータベース型

サスケWorks

無料+ベーシック500円/スタンダード5,000円/プレミアム15,000円

定額制。API連携はプレミアム

Platio

Lite 27,000円〜(税抜・10ユーザー込み・初期0円)

モバイル業務アプリに強い

@pocket

ライト300円/スタンダード500円/プロ700円(1ID)

最低5人から。低単価

Airtable

Team $20/Business $45(1席)

データベース管理に強い

AppSheet

Starter $5/Core $10(1ユーザー)

Google系サービスと連携

※Airtable・AppSheetのドル表記も年払い時の月額換算です。月払いの場合、AirtableはTeam $24からとなります。

kintoneはライトコース1ユーザー月額1,000円、スタンダードコース1,800円で、最低契約は10名からです。そのため最小構成でも月額1万円からの利用となります。

引用元:kintone(サイボウズ)公式料金ページ https://kintone.cybozu.co.jp/price/

定額制のサスケWorks(月500円〜)のように、人数が増えても料金が変わらないタイプは、利用人数が多い場合に割安になります。

引用元:@pocket(アットポケット)公式料金ページ https://at-pocket.com/price/

Webサイト・EC型ツールの料金(Studio・ペライチ等)

Webサイト・EC型は、コーポレートサイトやランディングページ、簡易ECを作るツールです。料金は月額500円〜数万円で、個人サイトなら月数千円以内、商用・大規模サイトでは上位プランが必要になります。

ツール

料金(月額)

特徴

Studio

Mini 1,290円/Personal 1,720円(月払・年払は1,190円)ほか

デザイン自由度が高い。無料公開も可

ペライチ

ライト1,465円/レギュラー2,950円/ビジネス3,940円〜(年契約時の月額・税込。月契約はライト1,628円〜)

テンプレートで簡単。2025年10月から有料必須

BiNDup

エントリー528円〜

老舗のサイト制作ツール

KARTE Blocks

初期10万円+月額14.8万円〜

既存サイトの改善・ABテスト向け

APPBOX

パッケージ月10万円〜+初期75万円〜

アプリの開発・運用基盤。従量課金

Studioやペライチはランディングページやコーポレートサイトをローコストで作れる定番ツールで、月数千円以内で始められます。一方、APPBOXのようにアプリの運用基盤を提供するサービスは、月額10万円〜+初期費用という法人向けの価格帯になります。同じ「Webサイト・アプリ系」でも、用途と規模で費用は大きく異なります。

料金だけでなく無料プランの有無やタイプ別の選び方も確認したい場合は、用途別のノーコードツール比較をご覧ください。

ノーコード開発を外注した場合の費用相場

ノーコード開発を外注する場合の費用相場は、規模に応じて50万円〜500万円超です。プロトタイプなら50万円台から、本格的なサービスでも300万〜500万円程度に収まるケースが多く、スクラッチ開発に比べて費用を大きく抑えられます。

規模別の費用目安(小規模・中規模・大規模)

外注費用は開発の規模・機能数によって決まります。結論として、小規模なら50万〜150万円、中規模で150万〜300万円、大規模・複雑な要件では300万〜500万円以上が目安です。

規模

費用目安

開発期間

内容の例

小規模(MVP・プロトタイプ)

50万〜150万円

2週間〜1ヶ月

機能を絞った検証用アプリ

中規模(運用可能な水準)

150万〜300万円

1〜3ヶ月

実サービスとして使える業務アプリ

大規模(複数ロール・API連携)

300万〜500万円以上

3〜6ヶ月

外部連携・権限管理を含むシステム

MVPとは?
「Minimum Viable Product(実用最小限の製品)」の略で、必要最小限の機能だけを備えた製品のことです。
まずMVPで市場の反応を検証し、手応えがあれば機能を追加していく進め方が一般的です。

新規事業の検証なら、まず50万〜150万円のMVP開発からスモールスタートする方法が、リスクを抑えるうえで有効です。

スクラッチ開発との費用比較

ノーコード開発の外注費は、スクラッチ開発と比べて約1/3〜1/10に抑えられます。これは、ゼロからコードを書く工程を省略できるためです。

スクラッチ開発とは?
既製のツールや雛形を使わず、ゼロからすべてを設計・プログラミングして開発する手法です。
自由度が非常に高い一方、開発期間と費用は大きくなります。

項目

ノーコード開発

スクラッチ開発

費用相場

50万〜500万円程度

小規模200万〜500万円/大規模2,000万〜3,000万円

開発期間

2週間〜6ヶ月

3〜6ヶ月以上

自由度

ツールの範囲内に制約あり

ほぼ無制限

たとえばスクラッチで200万〜500万円かかる小規模システムが、ノーコードなら50万〜150万円で実現できるケースもあります。コストとスピードを重視する場合、ノーコード開発の優位性は明確です。

スクラッチ開発を含めたシステム開発全体の費用相場については、種類別の早見表で比較した記事で解説しています。

ノーコード開発の費用対効果を最大化する5つのポイント

ノーコード開発の費用対効果を高めるには、以下の5つのポイントを押さえることが重要です。先に全体像を示します。

1. 目的に合ったツールを選び、ムダな月額費用を防ぐ

2. 無料プランでプロトタイプを作ってから有料化する

3. 自社でできる範囲と外注する範囲を明確にする

4. 利用人数の増加を見込んで料金体系を選ぶ

5. 隠れコスト(追加費用)を事前に把握しておく

以下、特に重要な3点を詳しく解説します。

目的に合ったツール選定でムダな月額費用を防ぐ

ツールは「作りたいものの種類」に合わせて選ぶことが、ムダな費用を防ぐ最大のポイントです。高機能なツールほど料金も高くなるため、オーバースペックは費用のムダにつながります。

たとえば社内の業務アプリならkintoneやサスケWorks、スマホアプリならAdalo、Webサイトならstudioやペライチ、というように目的別に最適なツールは異なります。「とりあえず有名だから」で選ぶと、不要な機能に高い月額を払い続けることになりかねません。

無料プランでプロトタイプを作ってから有料化する

多くのノーコードツールには無料プランがあるため、まず無料で試作してから有料化するのが費用対効果の高い進め方です。最初から有料プランを契約すると、ツールが合わなかった場合にコストがムダになります。

BubbleやAdalo、Click、Studioなど主要ツールの多くは無料プランを用意しています。無料の範囲で操作感や実現性を検証し、本番運用の目処が立ってから有料プランに移行しましょう。

Bubbleで有料化を検討する段階では、Bubbleの5つの料金プランの違いを把握しておくと、用途に合うプランを選びやすくなります。

自社でできる範囲と外注する範囲を明確にする

費用を抑えるには、自社内製と外注の「線引き」を明確にすることが効果的です。すべてを外注すると費用がかさみ、すべてを内製すると社内の負担が大きくなります。

おすすめは、初期構築の難しい部分だけを外注し、その後の運用・改修を自社で行う「ハイブリッド型」です。ノーコードは納品後も自社で修正しやすいため、運用フェーズを内製化すれば、外注費用を継続的に抑えられます。

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ノーコード開発の隠れコストに注意

ノーコード開発では、基本料金以外の「隠れコスト」に注意が必要です。具体的には、カスタマイズやAPI連携の追加費用、利用規模の拡大に伴うコスト増が見落とされがちです。

カスタマイズ・API連携の追加費用

標準機能を超えるカスタマイズや外部サービス連携には、追加費用が発生します。ノーコードツールは「用意された機能の範囲」で安く作れる一方、その範囲を超えると上位プランやオプション契約が必要になるためです。

API連携とは?
異なるソフトウェア同士をつないでデータをやり取りする仕組みです。
たとえば自社アプリと決済サービスや顧客管理ツールを連携させる場合に使います。

たとえばkintoneやサスケWorksでは、API連携は上位プランでのみ利用可能です。外部連携を前提とする場合は、その費用も含めて見積もる必要があります。

保守運用・スケーリング時のコスト増

利用者数やアクセスが増えると、料金プランの引き上げが必要になり、コストが増加します。多くのツールはユーザー数や処理量に応じた課金体系のためです。

たとえばBubbleは処理量(ワークロードユニット)が増えると追加費用が発生し、ユーザー課金型のツールは人数増加で月額が膨らみます。導入時点の費用だけでなく、「事業が成長したときの費用」もシミュレーションしておくことが大切です。

見落としがちなのは「成長したときの費用」!初期費用が安くても、ユーザーが増えると一気に高くなるツールもあります。

ノーコード開発 vs スクラッチ開発|費用だけで選ぶべきではない理由

ノーコード開発は費用面で有利ですが、費用だけで選ぶべきではありません。ノーコードには「ツールの仕様に縛られる」「大規模・複雑な要件に不向き」という制約があるためです。費用とあわせて、作りたいものの規模・自由度を踏まえて判断する必要があります。

ノーコードが有利なケースとスクラッチが有利なケース

結論として、スピードとコスト重視ならノーコード、自由度と拡張性重視ならスクラッチが向いています。判断軸を整理すると以下のとおりです。

観点

ノーコードが有利

スクラッチが有利

開発の目的

新規事業の検証・MVP・社内業務効率化

独自性の高い基幹システム・大規模サービス

コスト

抑えたい

投資できる

スピード

早くリリースしたい

時間をかけてよい

拡張性

標準機能で足りる

将来的に大幅な拡張が必要

新規事業の立ち上げやスモールスタートにはノーコードが最適です。一方、複雑なロジックや大量アクセスを前提とする大規模システムでは、スクラッチ開発が適しています。将来的にノーコードで作ったMVPを、成長後にスクラッチで作り直すという段階的な進め方も有効です。

ノーコード開発の費用に関するよくある質問

ノーコード開発の費用について、よく寄せられる質問に回答します。

無料ツールだけで本格的なアプリは作れる?

簡易なアプリなら無料ツールでも作れますが、本格的な業務利用には有料プランが必要です。無料プランはアプリ数・データ容量・機能に制限があるためです。

たとえばClickの無料プランはアプリ2個・1アプリ10レコード・ストレージ10MBまでと、機能確認や学習向けの範囲にとどまります。無料プランは「お試し」と割り切り、本番運用では有料プランへの移行を前提にしておきましょう。

ノーコード開発の月額費用はどれくらい見込むべき?

自社内製の場合、月額5,000円〜5万円程度のランニングコストを見込んでおくと安心です。ツール利用料はプランや利用人数で変動するためです。

少人数のスモールスタートなら月数千円、複数人での本格運用や複数ツール併用なら月数万円が目安です。これに加えて外注する場合は、初期に数十万〜数百万円の開発費を別途見込みます。事業の規模と成長予測に合わせて、無理のない費用計画を立てましょう。

まとめ|費用相場を踏まえたノーコード開発の進め方

ノーコード開発の費用は「ツール利用料・外注費・自社開発の人件費」の3層で構成されます。本記事の要点を整理します。

  • ツール利用料は月額0円〜数万円が中心。無料プランから試せるツールも多い
  • 主要16ツールはユーザー課金型・定額制・従量課金型に分かれ、利用人数の想定が費用を左右する
  • 外注の相場は小規模50万〜150万円、中規模150万〜300万円、大規模300万〜500万円以上
  • ノーコードはスクラッチ開発の約1/3〜1/10のコストで実現できる
  • 費用対効果を高めるには「目的に合ったツール選定」「無料プランでの検証」「内製と外注の線引き」が重要
  • カスタマイズ・API連携・規模拡大に伴う隠れコストに注意する

まずは無料プランやプロトタイプ開発から始め、自社に最適な進め方を見極めることをおすすめします。「自社の場合はどのツール・どの進め方が最適か」「外注した場合の具体的な費用は」といったご相談は、ノーコード開発の専門会社へお問い合わせください。要件に合わせた最適な開発プランと費用感をご提案します。

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